鼻腔に撃ち込まれた八角連(ハッカクレン)の香り
麗しき香りバラの花、香水の原材料ともなるハニーサックルの気高き香り、人々を酔わす甘美なる香りクチナシの花。植物は香しさを世にばら撒き命を惑わせる。そしてその逆もしかり、命を惑わせるラフレシア、蒟蒻の花、食虫植物の花。
まあ、猫ババアはラフレシアだとかそんな花の香りなど嗅いだことはありませんがね。秋田は梅雨の最中です。皆様いかがお過ごしでしょうか。
世の中にはさまざまな花があり、さまざまな香りがします。皆様は八角連(ハッカクレン)という山野草の花の香りを嗅いだことがありますでしょうか?嗅いだことがないという貴方は、山野草ショップにでも行って、ぜひ嗅いでください。脳みそが銀のスプーンで引っ掻き回されるような香りがしますから。全く芳しくない。生ゴミが腐れずに悪臭を放つ黒い汁を垂れ流しじりじりと般若心経を唱えているような香りです。臭い。それに尽きるのではないでしょうかね。あれは。
八角連はうちでは珍しいものではなく、春になると当たり前に植木市で売っていたりします。しかし、花の香りなど嗅いだことはありませんでした。ある時常連のおっちゃんが花の香りを嗅いでみろとウキウキしながら話し始めたので、ババアは何のためらいもなく花に鼻を近づけました。
悶絶するババアを見ながら満足げに笑うおっちゃん。この事は絶対ゆるさねぇからな。でも、お茶目さんですね。こういう常連さんがいると、本当に心が和みます。
そんな感じでババアはこの植物の臭いにおいを覚え、瀕死のダメージを受けました。モルボルか!てめえは!!
もうババアはラフレシアだろうがショクダイオオコンニャクだろうがこわくはありません。我が鋼鉄の嗅覚は八角連に作ってもらいました。 魅惑の花々を目にして、その花に鼻を近づける行為が自殺行為なのかそうでないのか……それは貴方のみぞ知るですぞ。
ティンパニーを打て!!杭として刺し示すのだ!!鼻腔に撃ち込まれしかぐわしき香りを忘れるな!世界は美しいだけではない!血と涙と悲しみと恐れと蛆虫が底辺には敷き詰められているのだ!人間など千差万別!世に知らしめよ!自らの存在を!!生き方を!!
本日の脳内BGM
ムラヴィンスキー指揮
ショスタコーヴィチ
交響曲第5番
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